インドの商習慣

(1)価格帯に敏感
インド人は商品価格に敏感です。市場調査を行い、ターゲットの絞込みと適性価格帯の把握をすることが重要です。特に、適正価格帯の把握を誤ると成功はおぼつきません。例えば「ミドルクラスをターゲットとした携帯電話の適正価格帯は1,000ルピー~5,000ルピーまで」など、自社が参入しようとする市場を十分に調査することが肝要です。

(2)積み上げと積み下げ(造語)
日本はトップ会談前に、根回し、詰めを十分に行いトップ会談がゴールという感覚で仕事をする場合が多いですが、インドの場合はトップ会談後に具体的な詰めの作業が始まることが多いです。この仕事の進め方を理解していないと、「さぁこれから」という時に疲れ果ててしまっているといったことになりかねません。

(3)ロジック優先
日本企業のプレゼンやパンフレットは、商品の効果を全面に持ち出す傾向にありますが、インドでは、何故その商品が優れているかといった原理がまず先にあるという場合が多いです。インド人にプレゼンする場合やパンフレットを作成する場合には、この点に着意しておかないと、時間の浪費になったり、商品に興味を持ってもらえなかったりという結果になってしまいます。

(4)時間管理
元来、インド人は時間にルーズなところがあります。例えば、インドでよく耳にする言葉に“Two minutes.”というのがあり、これは「2分だけ待ってくれ。」という意味ですが、この2分が曲者で、実際は1
時間になるのが当たり前といった具合です。 
ただし、そのインド人の時間感覚に変化が起こりつつあります。その起爆剤となったのが、デリーのメトロです。
デリーメトロの建設着工は、1998年10月。第1フェーズの約65キロメートルが開通したのが2006年、第2フェーズの約128キロメートルが開通したのが2011年8月、総路線距離約190キロメートルのメトロが約 13年で開通したことになります。僅か22キロメートルを開通させるのに20年も要したコルカタのメトロに比較すれば、いかに早いかが分かるでしょう。
デリーのメトロは、その建設費の70パーセントが日本の援助によって賄われました。しかし、その費用よりも何よりも衝撃的だったのが、インド英語にもなったノーキ(納期)という言葉と分単位の運行です。
日本の技術者による徹底した作業工程管理とストップウォッチを用いた分単位の運行訓練がインド人技術者の時間に対する概念を根底から覆すこととなった訳です。プロジェクトの遅れが当たり前で、数時間遅れが日常茶飯事の鉄道運航に衝撃を与えたことは疑いのないところです。
それでも、この感覚が全てに行き渡っている訳ではないので、やはり、十分な余裕を持った時間設定が必要であることには変わりないでしょう。

インドの商習慣

(5)大切なビジネスパートナー
インドで成功するために最も大切と言ってもよいのが、信頼できるパートナーの発掘と発掘後の信頼関係の醸成です。インドの企業の中には、日本の企業より余程コンプライアンスがしっかりしているところもあります。このような信頼できる企業を見出すとともに、その企業との信頼関係を根気良く深めて行くことが成功のための絶対的条件と言って良いでしょう。
ではそのようなパートナーをどうやって探し出すか。これは、人脈に頼るしかありません。信頼できるコンサルタント会社等を通じて紹介してもらうことが良いパートナー発掘の近道です。紹介する側の信用にも関わるので、いい加減な企業を紹介するといったようなことは、まずありません。

インドのガイドブック